今週ご紹介するのは、デンマークのアニメーションスタジオが2011年に制作した卒業制作短編「The Backwater Gospel」(邦題:福音の傷)です。本作は新鮮なビジュアルスタイルを感じさせ、画面には質感が溢れ、キャラクターの造形は荒削りながらも特徴的で、アクションの表現は生き生きとして正確です。一方、物語の内容は邪悪で、血腥く、深く考えさせられるものとなっており、形式と内容の両面で優れた短編と言えるでしょう。
物語は、荒涼とした「Backwater」(バックウォーター)という町で繰り広げられます。この町では誰もが、葬儀屋が現れることが死の訪れを意味することを知っていました。しかしある日、葬儀屋が死の影を携えてバックウォーターに現れたとき、今回は誰も死にませんでした。すると、死への恐怖が町全体を狂気と虐殺の渦に巻き込んでいきます……。
短編「福音の傷」は10分にも満たないストーリーで、観客に脆弱さ、恐怖、利己心、野蛮さ、無知、欺瞞といった人間性を直視させます。死の目線を通して私たち一人ひとりの心を覗き込み、最後にシルエットで描かれる虐殺の場面は、見る者の心を長く揺さぶって離しません。もしかすると、本作のスタイルが一部の方の好みに合わないかもしれませんが、それでも一度ご覧になることをお勧めします。きっとあなたを惹きつける魅力があるはずです……。
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