『薄暮』は、福島県いわき市を舞台に、将来を嘱望される高校生ヴァイオリニスト・小山さちの日常を描く。音楽部で友人にも恵まれ、充実した学校生活を送るさちだが、何よりの楽しみは、一人でバス停へ向かう道すがら、街の景色を眺めることだった。
ある放課後、さちはバスでよく目にしていた少年・鬼神園夕介と偶然出会う。美術部の展覧会に向けた夕景の絵に悩む夕介に、絶景の場所を教えてあげたことをきっかけに、二人は夕焼けに染まる風景を愛でる共通の想いを通じて、次第に心を通わせていく。儚くも美しい「今」を懸命に抱きしめようとする、ふたりの魂の触れ合いが始まる。
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