『秦時明月 万里長城』
機関城の崩壊以来、墨家の抵抗勢力はほぼ一掃された。秦帝国は再び太平の世の夢に酔いしれている。
咸陽宮にて、嬴政は数え切れぬほどの労工を動員して万里の長城を築く傍ら、より機密性の高い計画を進めてきた。今、その計画は最終段階を迎え、陰陽家の協力を得て建造された巨艦「蜃楼」が完成した。その壮麗で精緻を極めた姿が水平線の彼方に浮かび上がり、まさに誰もが夢見る海上の仙境のようだ。いったいどんな秘密が隠されているのか?最終的にどこへ向かうというのか?
これらの謎を解くため、諸子百家の勢力が次第にこの穏やかな海辺の町に集まり始める。天明と少羽は秦兵の追跡を避けるため、儒家の荘園で暮らし学んでいた。しかし、続いて起こる数々の不可思議な事件により、町の平穏は完全に破られる。
客商に扮した秦軍小隊が全滅し、護送していた貨物が行方不明に!
謎の高手たちが連携して将軍府に侵入し、天機楼に収蔵されていた重要宝物が忽然と消え去る!
無口な少女・石蘭、剣技に長けた剣客・衛荘、妖艶で魅惑的な妖女・赤練までが、次々と性格の別の一面を見せ始める。敵は誰か?味方は誰か?もはや見分けがつかない。
桑海城に、暗流が渦巻く!
天明――神秘的な出生を背負う少年。
蓋聶――百歩飛剣で天下に並ぶものなき剣聖。
少羽――楚の項氏唯一の後継者。
仇敵も仲間も、深くこの時代の渦に巻き込まれていく。
風が立ち、蜃楼の古雅に装飾された船室の隙間を滑り、秦の朝廷の雄壮な梁柱の間をさまよう。
丞相・李斯の口元に、将軍・蒙恬の剣先に、
少女・高月の瞳に、智聖・張良の眉間に。
汗を滴らせる長城の建設現場を掠め、黄金の騎兵軍団の陣の縁を切り裂く。
天下万民の囁きの中、無数の関所の旌旗の間に、それはあまねく存在するかのようだ。
すべての生死の仇、家国の恨みが、その時に凝縮される。
すべての人の視線が、その地に集まる!
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