バフラム軍のナフス(ラダム)派によって(表向きは)地球軌道エレベーター制圧作戦の為に、数年前に大破した史上初のOF「イドロ」の残骸をベースに、同作戦の指揮官機として建造された。主な武装は、腕部を剣状に変形する「スマッシュパドル」、同じく腕部を銃状に変形する武装(名称不明)、胸部のベストアーマーを変形させる対要塞用マイクロウェーブ、またはプラズマ粒子砲「バーストランス(威力は幅広く調整可能な事からジェイムズ達は「電子レンジ砲」と呼んでいた)」。どちらかといえば武装は副次的なもので、主な運用は無人OFラプターの大群を制御するプログラム「マス・コントロール・システム」による指揮管制である。完成直後、ナフスの真意に気付いた開発主任レイチェル・リンクスによって既に組み込まれていたOSの基幹指令の「任務遂行」に新たに「任務阻止」を追加、死亡した助手「ドロレス」の名前を与え、元夫ジェイムスの元に逃がした。ジェイムスと出会うまでの間、相反する命令を与えられたAIは膨大な数のシミュレートを繰り返した結果、「自分自身を含めて無知ではあるが、それら全てを受け入れられる」仮想人格「ドロレス」を創り上げた。
物語序盤では自身について全く無知な「ドロレス」の人格が躯体制御していた為に、量産機である有人型ラプター一機にすら翻弄される場面もあった。しかし、イドロの残骸から開発されたワンオフ機である事から、劇中においても月から地球間を十数秒で移動し、時速40万キロ以上の速度で海面に激突してもまったくの無傷だったり、その後数秒足らずで地表から大気圏を離脱しつつ、バーストランスで数百キロの衛星を真っ二つにするなど、その過剰性能を如何なく発揮する。その反面「無知な少女」の人格の性質上、戦闘に関しては素人以下で窮地に陥るたびに暴走という形で戦闘を司る主人格「イシス」が強制起動、本来の戦闘用OFとして望まない戦闘を繰り返していたが、中盤からは経験を重ねた事で確固たる自我を確立した「ドロレス」が「イシス」に対する支配力を強め一部機能を使用可能になった。レイチェルを救出した後にAIが調整され、「イシス」と「ドロレス」を遠ざける事で主人格を変更し全機能を使用可能になった。
物語終盤、姉妹機ハトールとの初戦で主人格「イシス」ごと「マス・コントロール・システム」を奪われ、それによって変形などの戦闘機能を一部使用できなくなるが、これにより「ドロレス」が躯体全機能を掌握することになる。その後、額の刻印を「ISIS」から「Dolores」へと書き換え、狂気に憑りつかれたナフスとハトールに対し軌道エレベーター内で再戦に挑む。両者の性能が互角である以上、フレームランナー(操縦者)の差がそのまま戦闘力の差となる。一流かつ経験豊富なナフスと指示するだけのジェイムズでは話にならず、初戦同様、一方的に痛めつけられるだけだったが、土壇場で、ハトールが頻繁に使っていた「ベクタートラップ」の空間圧縮を自機に向けて発動したことで勝利を収める。その後、軌道エレベーターの倒壊を食い止めるため、ハトールと指揮下に置いたラプター群のメタトロンを使い、ベクタートラップで月と軌道エレベータの間の空間を圧縮、月の重力でエレベータを支えたが、周囲のOFと機体の全エネルギーを超える出力を放出したため、メタトロンが組織崩壊を起こして機能停止した。
その後、ドロレスは新エンダー号の制御用として別のコンピュータに移植され、「世界一優秀なAI」としてギネス・ワールド・レコーズにも掲載された。新エンダー号の艦首にはOFドロレスの頭部を模した装飾が施されており、オービタルフレームだったころ同様に、頭部の突起が感情に合わせて動く。
機体名の由来はエジプト神話の女神イシスから。