

玄武書房の辞書編集部に勤めるベテラン編集者・荒木公平は、病に倒れた妻の介護のため退職を決意する。しかし、その前に最後の仕事である新辞典『大渡海』の編纂を引き継ぐ後任者を見つけなければならない。辞書作りには膨大な忍耐と時間、そして情熱が必要とされるため、なかなか適任者が見つからずにいた。 そんな中、同じく玄武書房の営業部に勤める馬締光也は、人付き合いが苦手で空気を読むのが不得意な青年だった。しかし、読書好きで几帳面な性格からくる「言葉」への深い愛情と探究心は並外れていた。その才能を見出した荒木は、馬締を辞書編集部への異動に誘う。新しい職場に戸惑い、自身の適性に疑問を抱きながらも、馬締は辞書作りという大海原へと漕ぎ出す。言葉の海を渡る『大渡海』が、彼らを結びつけていく。
対戦相手を待っています...