七番目の新米魔術師は、聖杯戦争と呼ばれる魔術師同士の戦いに巻き込まれ、騒乱の果てに一番のサーヴァント・セイバーを召喚し、マスターとして夜の街を駆け巡る……このよく知られた物語の始まりである。しかし、「Fate/Prototype」は「Fate/stay night」の原型作品でありながら、設定には多くの相違点がある。中でも最大の違いは、セイバーとその主従関係だろう。Fate/stay nightの主人公である衛宮士郎はPrototypeには登場せず、代わりに沙条綾香という少女が主人公となる。そしてセイバーは女性ではなく男性である。勝気で聡明ながら、どこか厭世的で僧侶のような印象を与える綾香と、彼女の背後に立ち、口では悪態をつきながらも微笑みを浮かべて彼女を守るセイバー。二人の組み合わせは、Fate/stay nightにおける遠坂凛とアーチャー(英霊エミヤ)の関係を参照すると理解しやすい。したがって、沙条綾香と衛宮士郎の関係は単なる原型や性別転換というわけではなく、むしろ綾香は遠坂凛の一部の原型と言えるかもしれない。「Fate/Prototype」は作者・奈須きのこが中学生の頃に構想した作品であり、後の「Fate/stay night」や他のFateシリーズ作品に大きな影響を与えている。
対戦相手を待っています...