童顔の一ノ宮勘太郎は、表面上は民俗学を研究して生計を立てる民俗学者だが、実は強い霊感能力を持ち、除霊や妖怪退治を請け負う「妖怪退治屋」でもある。幼い頃から妖怪を見て会話できるため、自らの力で世の中の妖怪にも善良な面があることを示したいと願っている。いつかどこかに封印されている「鬼よりもはるかに強い」鬼喰い天狗を見つけ、その力を分けてもらうことを夢見ている。妖怪は名前を付けられた人間に従う習性があるため、彼が名付けた妖狐・夜子と共に生活しており、夜子は勘太郎の身の回りの世話だけでなく、生活費を稼ぐための怪奇小説の執筆を促す役目も担っている。 ある日、江戸川家での妖怪退治の依頼で、勘太郎は長年探し求めていた鬼喰い天狗が封印されている神社を偶然発見する。封印を解くと、黒い翼を持ち、神杖を手にした古風な装束の男が現れ、「私は春華です。名を付けてくださったあなたが、これから私の主人です」と告げた。 黒天狗・春華の力を借りて、勘太郎は苦もなく悪鬼を退治し、氷に閉じ込められていた江戸川家の長女を救い出す。事件後、春華は勘太郎の家に住み着くことになる。鬼を喰らう能力に加え、無表情な顔と低音の声で何気なく発する一言が周囲の女性を魅了する才能には、勘太郎も苦笑するしかなかった。 それ以降も妖怪退治の依頼は続くが、以前と違って春華が傍にいるため、危険が迫ると彼はいつも勘太郎を守るために前に立つ。杉野村で子供たちが次々と行方不明になる怪事件が発生し、編集者の勧めで勘太郎、春華、夜子、そして春華に恋して家に居座る少女・鈴の四人で現地へ向かう。地元の神社に足を踏み入れた勘太郎は、自分が幼少期をここで過ごしたことを思い出す。神社を管理する清夫人は勘太郎の旧知で、彼女から村の子供たちの失踪について聞かされる。失踪した子供の中で、最初に行方不明になった一志だけが戻ってきたが、失踪中の記憶を失っていた。勘太郎はこれを「神隠し」と疑い、再び襲撃されそうになった一志を救う。空を飛ぶ巨大な翼の影を見て、勘太郎は事件が地元の天狗の仕業だと確信する。地元を治める白天狗・杉野を訪ねる一方で、一志は鈴や他の子供たちと共に村の禁忌の封印を解いてしまう…。 果たして春華の封印にはどんな謎が隠されているのか?勘太郎の胸の古傷がなぜ妖怪に近づくと痛むのか?さらに、美人編集者からの締切迫る原稿催促や、家の居候たちの食費を稼ぐため、勘太郎は必死で執筆にも励まなければならない。もちろん何より、彼と春華が解決すべき怪奇事件はまだまだ続いていく…。
対戦相手を待っています...