男子姿に身を包んだ少女・天上ウテナは、ある理由から貴族学校・鳳学園に転校する。そこで彼女は「薔薇の花嫁」と呼ばれる美しい少女・姫宮アンシーと出会い、「薔薇の花嫁」を巡る決闘ゲームに巻き込まれてゆく。 劇場版はTVシリーズの続編ではなく、全ての設定が大幅に変更されている。監督の幾原邦彦は劇場版制作にあたり、映画の本質について長く思索を重ね、TVと劇場の特性を踏まえ、突発的な演出場面を減らし、観客が作品の意味をより理解しやすくなることを目指した。画面はTV版より華麗で非現実的である一方、物語はより現実的で残酷なものとなっている。 劇場版では、少年と大人、夢と現実の衝突が描かれる。脚本の榎戸洋司は「これは青春の価値観に基づいて作られた作品だ」と語る。青春とは必ずしも楽しいものではないが、それでもそこにはかけがえのない喜びがあり、だからこそ懐かしく思えるのだと。榎戸はこの青春への価値観を貫き、観る者の心を揺さぶる物語を創り上げた。 劇場版では、ウテナは幼い頃に王子様に出会ったことがなく、王子になりたいと思うのは他のより強い理由による。男装もTV版より徹底しており、決闘の時のみ髪を下ろしてロングヘアに戻し、動作や口調もより男らしくなっている。もう一人のヒロイン・アンシーの容姿はストレートのロングヘアとなり、眼鏡はかけていない。性格は極めて明るく活発に……また、アンシーと暁生の兄妹関係も、より悲壮で残酷なものとなっている。 劇場版には依然として至る所に「王子」の記号が満ちている。桐生冬芽はウテナの王子様であり、樹璃は学園の女生徒たちから王子様と呼ばれ、枝織の幼馴染は王子様であり、鳳暁生は魔女に封印された薔薇の王子様であり、主人公のウテナ自身も王子様になりたいと願う。しかし、「かつて王子様だった」者も「王子様になりたい」者も、真の王子様ではない。王子様の意味とは果たして何か?そして王子様に守られる存在であるか弱い「お姫様」は、どうやって現実の世界に独り立ちし、「少女革命」を成し遂げるのか?
対戦相手を待っています...