08年、シンガポールの監督エリック・クーがマジックと家族愛(第5回『マジック・パパ』)でカンヌを沸かせてから3年。今度は日本のアニメ王国に挑戦し、漫画大師辰巳喜弘の自伝漫画『漂流人生』と短編作品をスクリーンに映し出す。アニメは劇画(Gekiga)の本質をそのままに、カラーとモノクロの写実的画風が社会底辺の小人物やサラリーマンと強烈なコントラストを形成。辰巳自身の声優出演も加わり、人間性の奇怪な暗部を余すところなく露わにする。もし人生が劇や漫画の如くならば、辰巳がシンガポールのエリック・クーと出会った時、このクロスオーバーは漫画ファンにとって他に類を見ない劇画漂流体験となるかもしれない。日本人にとっては、『辰巳』がカンヌの注目を集め、311震災を経てより深遠な意義を持つ作品となった……
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