それで、風が吹いていました。髪が頬に当たってくすぐったく思いました。 宮沢賢治のあの詩が浮かんだんです。 図書館に通うようになって覚えた、僕の好きな詩です。風がおもてで呼んでゐる。 いてもたってもいられなくなって、鞄に入れていたメモ帳を開きました。もちろん、詩を書くためです。 それでこの詩の冒頭が生まれました。 また引用だ、と言われますよね。確かにそうです。できあがったものだけ見たら、いつもと変わらないものかもしれない。 でも、これは僕にとって大きな一歩だったんです。 初めてでした。引用をするために言葉を探すんじゃなくて、今の僕の心を表すために、言葉を探して、引用したんです。 本当に、これが初めてだったんです。
対戦相手を待っています...