新たな学年が始まり、新たなクラスメイトの輪が広がる。中学最後の年、小説家志望の安曇 小太郎と陸上部の水野 茜は同じクラスになった。最初はまったくの他人同士だったが、いくつかの偶然の出会いが、彼らの心に純粋な想いを芽生えさせる。切ないまなざし、ときめく胸の高鳴り――運命が交差する中、幼き恋の兆しが彼らの日常に静かに入り込んでいく。
しかし、愛は忍耐強く、愛は優しいものとはいえ、小太郎と茜にとって、その道のりは必ずしも平坦ではないことを知る。互いの存在に安らぎを見出す一方で、心の痛みや不安は胸の内に宿る想いと表裏一体だった。相手の本心がわからないもどかしさ、周囲に寄せられる他の想い――前途は決して明るくはない。それでも、美しく輝く満月の下、小太郎は勇気を振り絞り、茜にたった一つの質問を投げかける。それは、二人の穏やかな関係を永遠に変えるものだった。
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