月山習は「喰種」――人間の肉を喰らう存在であり、彼は食事を最大限に愉しむことを好んでいる。ある夜、念入りに計画した“夕食”の殺戮に酔いしれていた月山の、待ちに待った最初の一噛みは、突然の閃光によって妨げられる。
その光の正体は、高校生・堀千絵のカメラのフラッシュであった。千絵は月山に、彼の本性を完璧に捉えた一枚の写真を見せつける。血まみれの死体と、興奮を隠せない月山が極めて鮮明に写ったそのショットは、彼の喰種としての正体を暴露する恐れがあった。つまり月山は、この状況を迅速に片付けなければならない。
月山が千絵が自分と同じ高校、しかも同じクラスに通っていることを知ると、彼の執着の理由は自己保身から病的な好奇心へと変わる。彼は、ぼんやりしていて極めて風変わりな写真家に接近しながら、互いに相容れない世界をもっと知ることを二人に課す。月山は、千絵が既に持っている写真よりも優れた一枚を、この経験で必ず手に入れると約束する。
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