時は1991年、アーケードゲームが社会現象を巻き起こしていた。プロゲーマーという職業はまだ存在せず、ゲームで生きていくなど荒唐無稽な夢とされていた時代。しかし小学6年生の矢口春雄は、そんな道を進むと決めていた。ゲームの才能は地元ゲームセンターで一目置かれ、彼に自信と誇りを与えていたが、それはクラスメイトの大野晶に『ストリートファイターII』で簡単に敗北するまでだった。
晶はお金持ちで、可愛くて、頭も良い――完璧に近い少女だ。だが春雄は、自分に多くの欠点があろうとゲームの世界では無敵だという自負があったため、そんな彼女のことを気にも留めていなかった。だから、自分と互角に戦える相手が現れた今、春雄の心の一部は彼女を憎まずにはいられない。しかしもう一方の心は、対等に競い合える相手を求めてもいた。そして晶は、まさにその条件にぴったりだった。
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