主人公・藤原拓海は、ごく普通の高校生でありながら、比類なきドライビングの才能を持つ。中学一年の時から毎朝、AE86で秋名山を駆け抜け、華麗(注意:華麗である)な運転技術を身につけた。彼の技術が卓越しているのは、毎朝未明に父親が作った豆腐を秋名山頂上の店へ届けるため、風雨や雪にも負けず5年間走り続けたことに起因する。白黒のAE86は130馬力しかない日本の「国宝級」旧型スポーツカーだが、藤原拓海の非凡な技術と天性によって、天才少年レッドサンチームの高橋啓介、恐るべき黒いR32を駆る中里毅、デス・テープ戦法(右手をテープで固定し、ハンドルを最大限に切れなくする)でナイトキッズのナンバー2を破り、さらに秋名山の峠道でレッドサンのナンバーワンであり、高貴なFC3Sを駆る高橋涼介をも打ち負かした。もちろん、拓海の成長はこれだけに留まらない。「彼の技術はまるで芸術のようだ」我々が最も熟知するのは、AE86の華麗なドリフト(自動車用語。高速走行中に急旋回し、タイヤが横滑りする状態)と排水溝走法だろう。秋名山下り最速のAE86神話が、ここに幕を開ける。
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