夏休みがもうすぐ始まろうとしていた頃、小学生の上原康一は下校途中に大きな石を拾った。彼はその石を家に持ち帰り、水で洗ってみると、なんと中から小さな河童が飛び出してきた。小さな河童が「クゥ」と一声鳴いたので、康一は彼を「クゥ」と名付けた。
クゥは人間の言葉を話すことができ、何百年もの間、地中に埋められていたのだった。康一はすぐにクゥと仲良くなり、二人は一緒にお風呂に入り、一緒にご飯を食べ、一緒に寝た。他の家族たちもクゥを受け入れ、小さな河童は上原家の秘密となった。
ある日、クゥは仲間たちのところに帰りたいと言い出した。康一はクゥに外の世界を知ってもらおうと、こっそり彼を連れ出した。クゥは環境がすっかり変わってしまっていることに驚き、この河童にとって住みにくい場所では仲間を見つけることなどできなかった。クゥが悲しむのを見て、康一もつらかった。彼はクゥと一緒に旅に出て、河童の伝説が残る遠野県へと向かった。二人は美しい自然の中に河童が住むのにふさわしい場所を見つけ、クゥは澄んだ川で嬉しそうに泳ぎ、康一もそれを喜んだ。しかし、ここでも他の河童はまったく見つからなかった。康一は村人たちが「河童を一匹捕まえれば千万円もらえるんだ!」と話しているのを聞き、急いでクゥを連れてその場を離れた。
家に帰ると、康一はタブロイド紙の記者に出くわして驚いた。その男は上原家が河童を飼っていると聞きつけ、どうしても写真を撮りたいと言うのだった。クゥの秘密はついにみんなに知られてしまった。康一の父は会社から河童をテレビに出させるよう強く迫られた。上原一家のために、クゥはテレビ番組への出演を承諾した。しかし、番組のゲストの中に、父親を殺した犯人によく似た人物を見つけてしまう。恐怖に包まれたクゥがいる中、テレビ番組の収録現場でトラブルが発生した。クゥは必死で外へ逃げ出したが、どこへ行っても黒山のような人だかりが目に入る。
怖い人間たちから逃れるため、クゥは東京タワーへと登った。夏の強い日差しに疲れ果てたクゥは、街を見下ろしながら独りごちた。「どこにも静かな場所はない。ここは人間の巣だ。もうだめだ。お父さんのところへ行こう…」
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