物語は『少年歌行』の二十年前。後に天下第一となる百里東君は、まだ鎮西侯府の、千人の寵愛を一身に受ける一人息子だった。無双の武功を持つ父と、温家当主の娘である母を持つにもかかわらず、武術は得意ではなく、むしろ酒造りを好んでいた。
十年後、ついに最高の酒を醸せるようになった彼は、家から土地証を盗み出し、百里を駆けて柴桑城へと酒舗を開きに来た。しかし、長い街には既に厄介な星たちがひしめいていた。真面目に酒造りに励む本当の少年は、彼ただ一人だった。そのため、彼はわけもなく二大家族の争いに巻き込まれてしまう。
道中、彼は偶然、父母なく江湖を放浪する司空長風や、天啓城から駆けつけた卓莫の子・雷夢殺と出会い、意気投合。百里東君は、雷夢殺が屋敷に囚われている義兄弟・凌雲の子・顧剣門を救出する手助けを決意する。
これは若き俊英が大量に現れ、いかなる時代も凌駕するほどの時代だった。後に儒剣仙となる謝宣、怒剣仙となる顔戦天、孤剣仙となる洛青陽らは、この時まだ無名の存在。彼らは互いに出会い、やがて天下に名を轟かせる日を待ちわびていた。
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