冬の写真はいつも哀しい白で……
歌声が聞こえてきた。冷たい風が吹く冬の街で、足が歌声のために止まる。
レコード店のショーウィンドウの中、向かいのディスプレイの中で、彼女が歌っている。
私は外側で静かに立ち、眺めている。
冬の風が激しく吹く帰り道、私はずっと立ち尽くしていた……。
……私の日常は、いつもこんなふうに平凡に過ぎていく。
しかし、ただ一つだけ、ほんの少しだけ普通ではないことがある。
恋人がデビューした後も、二人は以前と同じ関係を続けている。
少なくとも、今はそうだ。
彼女は彼女だけの特別な人生を送り、私は私の平凡な生活を送る。
誰かと誰かが出会い、別れ、あるいは互いに絡み合い、時間は一日たりとも滞ることなく過ぎていく。
真冬の写真が映し出す物語は、いつでも、まだここに映し出されている……
時は1986年、バブル経済に襲われた日本。
その時代に生まれた青年・藤井冬弥は、平凡な大学生活を送りながら、スターの森川由綺と交際している。
仕事と学業の合間、互いの気持ちは確かめ合えたと思っていた二人だったが、由綺の人気上昇により、距離はどんどん離れていく。
そんな中、冬弥は由綺と同じ芸能事務所に所属する人気スター・緒方理奈と出会う。この出会いは彼らにどんな影響をもたらすのか……
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